YouTubeチャンネル「Top Management Podcast by Dore」にアクティブメディア株式会社代表の磯島順一郎氏が登場し、飲食店のリピート戦略について語りました。美味しくない店を探すのが難しいほど商品レベルが高い現代において、飲食店経営者が注力すべきポイントを抑えましょう!
ゲスト:磯島順一郎氏

アクティブメディア株式会社CEO。早稲田大学卒業後、1998年株式会社ジェーシービー入社、その後アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に大手企業を中心にシステム戦略、Web戦略のコンサルティング業務に従事
商品力だけでは難しい時代、鍵は「データ」と「人」
磯島氏は、美容業界がカルテなどで顧客データをしっかり管理しリピート戦略を進めているのに対し、飲食業界にはそのデータが不足していると指摘します。現在の日本では、商品の力だけで競合に勝つのは非常に難しく、美味しいことが当たり前になった今、リピートの決め手となるのは「そこでの体験価値」です。
リピート率を劇的に高める「人の力」
磯島氏の分析では、スタッフが生き生きと輝いている店舗は、リピート率が圧倒的に高いことが分かっています。お客様への声かけや、二回目以降の来店客に気づいて声をかけること、スタッフの笑顔や素敵な振る舞いが、お客様に良い気持ちをもたらし、「また来たい」と思わせるのです。経営者は、ポイントやクーポンの仕組みも重要だが、それ以上に「社員が輝いて、お客様に積極的に声かけ、元気で動いている状態」を作ることに力を入れるべきだと強調します。働くスタッフにとって、お客様の笑顔やアンケートで自分の名前が挙がることなどが大きなモチベーションとなります。
体験価値を高めるツールと指標
- アンケート活用: お客様の声を聞くことで、ブランドが重視する価値がお客様に伝わっているかを確認でき、スタッフのモチベーション向上にも繋がります。
- アプリ導入: 顧客データを集める有効な手段ですが、お客様への声かけのタイミングが重要(レジではダメ、ファーストドリンク時などが効果的)。また、アプリ会員数を増やすことをスタッフの目標とし、達成者を称賛するなど、スタッフの意識を高める文化作りが不可欠です。
見落としがちなリピート率の重要性
売上は重要ですが、それ以上にリピート率(特に3回リピート)が将来の売上を左右すると磯島氏は指摘します。売上だけを見ていると、リピート率の低下という未来の兆候に気づくのが遅れ、対策が手遅れになるタイムラグがあるため、アンケートなどで早期に顧客の声を捉える仕組みが重要です。
飲食業界の未来予測
将来、飲食業界は「二極化」が進むと予測されます。一つはAIや自動化で効率を追求する店舗、もう一つは人との関わりや体験価値を重視する店舗です。また、日本が魅力的になるにつれて、インバウンド(訪日外国人)のリピートも重要になってくると考えられます。
参考になるリピートに強い店舗例
- 海の幸と山の幸鶴亀合戦(百日後につぶれる店):話題性だけでなく、スタッフの「人の力」が素晴らしい。
- https://turukamegassen.owst.jp/
- ラムちゃん(一家ダイニング):スタッフによるサービス(お肉を焼くなど)がエンターテイメントとして魅力的。
- https://ramuchan.jp/
- 博多劇場:有料アプリにも関わらず多数のファン会員を持ち、お客様をファンにする力が優れている。
- https://hakatagekijo.com/
まとめ
磯島氏の話から、現代の飲食店経営では、単に美味しい料理を提供するだけでなく、「人の力」で心地よい体験価値を提供し、お客様をファンにすることが、継続的な成長のために最も重要であることが改めて分かりました。データ活用やツール導入は、この「人の力」を引き出し、リピートに繋げるための補助として機能します。フルバージョンの動画もぜひ御覧ください!
URL:https://www.youtube.com/watch?v=5WzqBIFMlnI